現場から一歩離れたところから

DevLOVE Advent Calendar 2013 の35日目のエントリです。
昨日はkazinoupさんのエントリは、

アジャイル、スクラムなどのコミュニティで得た価値観は多いに今回の「現場」に役立ったことは間違いありません。

という点が良いなと思いました。本を読んだり、勉強会に参加したりして得た知識やノウハウを、ちゃんと仕事の場で活かせるというのは素晴らしいですね。

自己紹介

id:chris4403です。はてなで開発チームのとりまとめなどやっています。
最近はDevLove関西の方と「開発現場に伝えたい10のこと」を書かせていただきました。
ちなみに23日目のエントリを担当している@shokutoさんとは、大学のサークルの先輩後輩の関係でして、当時は自分が今のような仕事につくとは全く思っていなかったので、こういった場所でつながるのは予想外でおもしろいです。

現場でやっていきたいこと

最近の業務上のポジションは「プロデューサー」と「本部長」です。それぞれの業務内容を簡単に説明しますと、「プロデューサー」は「ディレクター」以下、「エンジニア」や「デザイナ」「企画」「編集」「サポート」で構成される「開発チーム」の数値的な成果(特に売上とか)に責任を持ち、ディレクターに対して施策やチーム運営上のアドバイスを行ったり、目標達成のために「人・金・もの」の調整を行ったり、前者に担当サービスのレポートを行ったりといった内容です。「本部長」はもう少し大きな視点で各プロデューサーからの報告を受けながら、半年、1年、3年先の開発部の方向性を考えて、開発チームへとそれを浸透させていくといった内容です。そういえば会社の求人ページのために、業務内容などをまとめないといけないのでした(締め切り過ぎてるから後で人事の方に怒られよう...)。
ざっくり言うと、楽しく仕事ができて、成果もでるような現場を作っていくことが仕事ってことですね。

そんな中、最近読んだ↓この記事は、色々と考えさせられました。
「社員は本当に幸せかいな?」日本一の会社を目指すことをやめたナニワの町工場 終わりなき社員教育は何を目指すのか:JBpress(日本ビジネスプレス)
記事の中で気になったところはこちらのエントリにて、引用しつつコメントを書いています。

先日、「開発現場に伝えたい10のこと」を一緒に書いた@tksmdさんと話をしたときに、私が書いた章の感想をいただきました。@tksmdさんから以下の部分についてもっと話したい!というリクエストをいただいたので、今度飲みにでも行きましょうかと言ってます。

マネージャー職の人は、よく「部下のモチベーションをコントロールしましょう」的なことを言われると思います。「タスクを割り振るときは、そのタスクの重要さをちゃんと認識してもらえるよう説明する」的な話がベストプラクティスとして挙げられるのでしょうか。このモチベーションって、本当に難しいです。部下のモチベーションの前に、自分のモチベーションをちゃんとコントロールできているか考えると、なかなか怪しい。仕事(だけではないですが)に対するやる気は、日々刻々と変わるものですし、体調にも大きく左右されます。なので、僕は「コントロール」ではなく、「把握」するように心がけています。朝出社してからの「おはよう」の声掛けはもちろんですが、仕事中やお昼休みのちょっとした雑談の中で、メンバーが今どのくらいやる気が出ているのかをなんとなく感じ取るようにしています。仕事に対して必ずしも高いモチベーションが必要である、とは個人的には考えていません。人生における仕事に対するスタンスは人それぞれですし、それに正解も不正解もありません。あくまで僕が同僚や部下にできることは、その人とは異なるものの見方や視点を提示して、判断の幅を広げてもらう、くらいだと思っています。

最近は、まさしくこの「モチベーション」という部分について、これから考えていかないといけないなと思っています。近々のモチベーションというより、半年、1年、3年といった先々のモチベーションについて。会社、サービス、チーム、個人の目標や夢がそれぞれどこかでリンクしていて、仕事が単なる仕事じゃなく、メンバーの人生の充実につながっていくようなことが何かできるといいな。

あまりうまくまとまりませんでしたが、「現場」の話は年明けの1/14のDevLove関西のイベントにてお話できればと思っていますので、関西在住の方で興味がある方はぜひご参加ください。
参加登録は↓こちらからどうぞ。
「開発現場に伝えたい10のこと」それぞれの後日談 - DevLOVE関西 | Doorkeeper

次の人へ

次は @banana_umai さんですね。よろしくお願いします!

YouTubeのtitle

動画を再生すると「▶ 」という文字列がtitle属性の先頭に付与されてタブブラウザでどのタブが再生されているか分かるようになっていた。

停止中 f:id:chris4403:20131202160903p:plain
再生中 f:id:chris4403:20131202160908p:plain

分かりやすいといえば分かりやすいけど、拡張経由でブクマするときとかにページタイトルに「▶ 」がついたままになったりしないかな。

「開発現場に伝えたい10のこと」の第1章を書きました

前職の同僚だった@papandaさんに声をかけてもらって執筆することになった「開発現場に伝えたい10のこと」が、達人出版会から電子書籍で出版されました。

開発現場に伝えたい10のこと - 達人出版会

第1章の「チームをビルドする」を書いてます。
はてなのディレクターとしてどういう感じで仕事を進めているかを書いています。主にはチームマネジメントについての書いてあるので、サービスディレクションについての記述を期待されるとちょっとがっかりするかも。マネジメントの話について書いたのは、最近の自分の興味分野がそこにあるからです。数年前、転職したときには、まさか今のようなマインドになるとは思ってもいませんでしたが、「組織」とか「チーム」とかそういうのが好きなんでしょうね。

@papandaとの繋がりを振り返ると、前職で自分がいた部署に転職してやってきたのが始まり。その後、彼主催で勉強会を部門や会社の中で開き、彼は会社の外へと活動を広げていって、その勉強会は少しずつ少しずつ形を変え、参加者を変え、名前を変えて、勉強会は大きくなっていきました。


「DevLOVEとは、開発(Develop)を愛する人たちの集まりです」


というシンプルなコンセプトをもとに、その集まりはやがて全国へと広がっていきます。2008年、関西でDevLoveのイベントをやるということで、スピーカーとして参加してきました。その後の勉強会にはなかなか参加できませんでしたが、今回DevLove関西の書籍を出版するときに声をかけていただいて、本当に嬉しかったです。


「全国大会で会おうな」


というのは、小学校の卒業式で、親友だったTくんから言われた言葉。ミニバスをやっていたTくんは、親の仕事の都合で中学校から沖縄に転校することになっていました。沖縄と鹿児島で離れ離れになってしまうことに寂しさを覚えた僕は、Tくんの真似をして、中学校に入ったらバスケット部に入ることを約束しました。バスケットなんかやったことがない僕に、Tくんは「中学校でバスケット部に入ったら、大会を勝ち上がって全国大会で会おうな」と真剣に約束してくれたのでした。実際その後、全国大会で会えたかというと、そんなドラマみたいな展開はなく、地区予選敗退。そもそもレギュラーですらない、みたいな状況になるのですが、結局中学から高校卒業まで6年間バスケットボールは続けました。練習で辛いとき「いつか全国大会でTくんと会うんだ」という約束が僕を励ましてくれていたからだと思っています。

青臭いかもしれませんが、昔の仲間が集まって何かを成し遂げるという物語が好きです。自分の人生にもそういう風な繋がりがたくさんあるといいなと思っています。バスケットの件は残念でしたが、前職の知り合いと、こうして電子書籍を出版することができました。

ここ数年、京都にこもる日々が続いていましたが、今後はもう少し旧交を温めつつ、新しいことに挑戦していきたいなと思っています。

目次
出撃の前に
第1章 チームをビルドする (栗栖 義臣(id:chris4403))
第2章 アジャイルな乙女ゲーム開発のおはなし (粕谷 大輔(@daiksy))
第3章 道具に関するよしなしごと (いろふ(@irof))
第4章 大きな会社の小さなマネジメント (川畑 雄補(@ku_suke))
第5章 インセプションデッキによる期待マネジメント (市谷 聡啓(@papanda))
第6章 「どうすれば価値を生み出すか」を知るためにヌーラボで行っていること (染田 貴志(@tksmd))
第7章 ゲーム業界と私 (田口 昌宏(@masahirotaguchi))
第8章 最初に行う3つのプラクティスと継続していくコツ (中村 洋(@yohhatu))
第9章 エクストリーム開発者満足&エクストリーム顧客満足アジャイル開発~アジャイル開発から考える、究極の「生産力」~ (株式会社アジャイルウェア 代表取締役CEO 川端光義 (@agilekawabata))
第10章 ふつうの受託開発 (川島 義隆)

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営